伝統的工芸品「十日町明石ちぢみ」とは②
第2回「北越雪譜」②
『北越雪譜』初編巻之中「越後縮」の項にはこのような記述もあります。
縮は越後の名産にしてあまねく世の知るところなれど、他国の人は越後一国の産物とおもふめれど、さにあらず、我が住む魚沼郡一郡に限られる産物なり。他所に出るもあれどわずかにして、その品魚沼には比しがたし。
続いて「縮の種類」にて
魚沼郡の内にて縮をいだすこと一様ならず、村によりて出す品にさだめあり。こは自らむかしよりその品にのみ熟練して他の品に移らざるゆえなり。その所その品を産すこと左のごとし。(中略)浅黄繊(あさぎじま)のるゐは十日町組の村々なり。
また「縮の市」で
市場とてちぢみの市あるは、前にいへる堀之内・十日町・小千谷・塩沢の四ヶ所なり。初市を里言にすだれあきといふ。雪がこひの簾の明くをいふなり、四月のはじめにあり。堀之内よりはじむ、次に小千谷、次に十日町、次に塩沢、いづれも三日づつ間を置きてあり。年によりて一定ならず、右四ヶ所の外には市場なし。十日町には三都呉服問屋の定宿ありて縮をここに買ふ。
とあり、「十日町」でも堀之内・塩沢・浦佐・小千谷などとともに「縮」の生産や商いが盛んであったことを伺い知ることができます。
また、吉澤家初代の吉澤伴治郎は宝暦年間(1751年~1763年)にこの縮市で活躍した、と記録されています。
※伝統的工芸品「十日町明石ちぢみ」の新作やゆかた・小千谷ちぢみの展示販売会を6月9日から12日まで日本橋・新潟館NICOプラザにて行います。DMをご希望の方はメール(info@kimonoemakikan.co.jp)かお電話(025-757-9529)にてお申し込み下さいませ。
後日案内状を送らせて頂きます。
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